勇者
降り続く雨のなか、
立ち向かうでもなく、
そこに在り続けるのでした。
変わらない強さを、
少しばかり思い知るのです。
まさに不可欠なもの、
といったところでございましょうか。
そして、
二つ目の光がにらみつける
のでございます。
一つ目と、二つ目の間を
さまよう光は、
深森の影から顔を出すのでした。
勇者は
その向こうにあるものでなく、
手にとったものを大切に握っておりました。
描かれてゆく絵が、
空へと舞ってゆくようでございました。