飛ぶ鳥と奈良
ロッキー山脈の真ん中くらいにいる。
なんとなくうっすらとしている。
高鳴る気持ちはなつかしいものだ。
いまはここで鐘を鳴らしている。
飛ぶ鳥と奈良の記憶に呼びかけてみる。
耳には聞こえてこないから奏でてゆこう。
そこに置いてあるケース
きみは何かを選ぶんだ。
すぐに忘れてしまうけれど。
その場所に久しぶりに行ってみる。
いつも見るのは山のいただきだ。
そこに置いてあるケースに嫌気がさした。
でも第六感が怒りをしずめたりするんだ。
夜に駆ける白い花
冷たい川が、
秋を流れている。
そして、広がる緑が
色づいてゆくけれど。
なんとなく、
でも、それで良いんだ。
傷跡に気づけはしなくとも。
夜に駆ける白い花だ。