涙の合唱曲
羊の数を数えているうちに、
眠っているのでした。
灯りをともすために、
優しい心をすっと遠ざけるのです。
人それぞれの正義は違うようだ、
と笛の名手が言っていたようでした。
伝えてゆく感動が
少しだけ分かった気がしたのです。
国境を超える時には、
夕陽がまぶしいようでした。
手紙を読みながら、
涙を流しながら、
何かから目をそらすのでした。
合唱曲を覚えているときには、
今を感じることができているようで、
心はどこか遠くにあるような気がしたのです。