心の旅詩 -あるがまま-

不思議と癒されてゆく心の旅詩。あなた様が少しだけリラックスをして自然体で癒やしを感じられるように。鬱、いじめ、孤独、痛み、すこしでも解放されますように。

冬の日の午後

久しぶりにその人の

お見舞いにいくことになりました。

 

折り鶴を折ろうかとも思いましたが、

かえって気を遣わせてしまうかと思い、

折りませんでした。

 

青い天井の病院だったので、

なんとなく覚えてはいたのですが、

うろ覚えというものでした。

 

向かう途中に川があったので、

寄ってゆく事にしました。

 

火山灰が落ちていていたりしたのです。

 

鳴き声が聞こえたような気がしたので、

耳を澄ましてみるのです。

 

そこには誰もいませんでした。

 

とても遠くの橋にシルクハットをかぶった

男の人が見えるくらいなのです。

 

世界はまるで繋がっていないようでした。

 

あの海の向こうでさえ、

すぐに変わってゆくのですから。

 

携帯電話を見て、

お見舞いに向かってゆくのです。

 

手はかじかんでいて。

 

少しだけ寒い冬の日の午後でした。