お寺の雨水
同じような感覚で、
日々を過ごしてゆく。
なにも珍しい事では
ないのかもしれない。
電車の窓から見えるのは、
いつもの風景なのだ。
けれど、聖なる龍は、
どこかにいるような気がして。
お寺に降り注ぐ雨水が、
過去への想いを導いたんだ。
夏のような、秋のような。
雲が流れていた。
空気は違えど、
同じ空が見える。
夏のような、
秋のような夜だ。
まだ知らない世界だ。
ゆっくりと電車は走る。
ずっとそこにある森の中を。
離島の海風
細長くて高い壁があるようだ。
離島のどこかにのびている。
手を伸ばせば海風がかすかに当たる。
桜の花びらが舞っていた。
そこには誰もいなかった。
あの絵が生まれた日に思いを馳せる。
タクシーが闇の中を走る
タクシーが闇の中を走る。
どれだけの木々をくぐり抜けてきただろう。
いつかのモンブランの味が蘇る。
そして世界を走るんだ。
ネオンサインがとても輝いている。
手を握りしめて喜んだ。
遠くの空では稲妻が走っていた。