何もないように見える世界
その麻薬を探しに
海へ向かったのでした。
向かう途中、他のことは
気にならないようだったのでした。
今を生きているのではなく、
どこかなつかしい気さえしたものです。
波は穏やかだったりしたのです。
ここには決まり事など
まるで無いようでした。
良い景色を写真に撮ろうと
気持ちが動き出したりするのです。
平和の象徴を見ているような
どこか暖かい気持ちになったものでした。
空を見上げると
飛行機が飛んでおりました。
なぜかは分かりませんが、
珍しい光景のように見えたりしたのです。
寒い冬のことなど忘れそうなくらい、
生きてゆくのでした。
何もないように見える世界。
必死に存在証明をしているようにも見えたのです。